建設業は就業人数が減少し続けており、、人手不足が深刻な問題となっています。
そんな中で、応募者を増やすためにはどうすれば良いのか、成功事例から解説していきます。
建設業の現状
建設業就業者数は、1997年をピークに、以降は減少傾向にあります。
2022年にはピーク時比69.9%の479万人にまで減少する見込みと言われていました。
特に建設技能者の数はピーク時比65.7%の305万人となっており、人手不足が深刻化しています。
建設業で人手不足が当たり前なのはなぜ?
建設業は「人手不足が当たり前」と言われることがありますが、その理由は主に下記が挙げられます。
- 少子高齢化の影響
- 労働時間が長く休日が少ない
- 肉体的な負担が大きく危険な作業もある
- 給与水準が低い
- 価値観が昭和からアップデートされていない
少子高齢化の影響
少子高齢化により若年層が減少しているため、建設業では労働力の確保が困難になっています。
建設業は体力勝負で若い労働力が必要なため、他業界よりも少子高齢化の影響は大きいと言えるでしょう。
労働時間が長く休日が少ない
建設業は、労働時間が長く休日が少ない傾向にあります。
求職者は給与以上に労働時間や休日の多さを重視していると言っても過言ではないため、他業界と比べて休日が少ないことを改善できなければ人材獲得は難しくなります。
肉体的な負担が大きく危険な作業もある
建設業はイメージ通り、肉体的な負担が大きいです。
また、高所での作業や危険物の取扱いなども行うため、事故や怪我のリスクが他業界と比べて高くなります。
危険な作業がある仕事はその分給与が高く設定されていることが多いですが、後述する通り、建設業界は給与水準も高くはないため、割に合わないと考える求職者が多くなっています。
給与水準が低い
建設業の給与水準は他の業界と比べても高くはありません。
前述の通り、肉体的な負担が大きく危険な作業もあることを踏まえると、割に合わないと判断されてしまい人材獲得が難しくなっているのが現状です。
多重下請け構造が慢性化していたり、日給月給制度を採用しており天候などが理由で収入が不安定になりやすいのも、給与水準の低さの原因です。
価値観が昭和からアップデートされていない
建設業界すべての職場がそうではありませんが、価値観が昭和からアップデートされておらず、未だにパワハラ紛いの教育や上下関係がまかり通っている傾向があります。
怒号が飛び交ったり、暴力的な行為が当たり前に行われているというイメージが建設業にあるため、新しい価値観を持つ若年層には避けられることが少なくありません。
人手不足の解消のためには、こういったイメージを払拭していく必要があります。
応募者を増やすためにはどうしたらいい?
建設業界全体が人材獲得に苦戦している中でも、応募者を増やすことに成功している企業は存在します。
応募者を増やすための具体的な方法としては、以下の5つの取り組みが効果的です。
- 給与水準を上げる
- 労働時間を短くし休日を多くする
- 若年層の価値観に合わせる
- 若手が育つ仕組みを作る
- WEBサイトやSNSで情報を発信する
給与水準を上げる
給与水準を上げることで、「高給がもらえるのなら」と肉体的な負担や危険な作業は承知の上で応募を検討する求職者は一定数います。
給与を高く設定することは、人材を獲得するのに大きな効果があります。
他業界よりもリスクが高い仕事なのに、他業界よりも給与水準が低ければ、求職者からすると応募するメリットがありません。
業績を従業員に還元できる給与体系に整えていく必要があります。
労働時間を短くし休日を多くする
給与水準を上げることが難しいのであれば、労働時間を短くして休日を多くするのも効果的です。
前述の通り、求職者は給与以上に労働時間や休日の多さを重視していると言っても過言ではありません。
他業界と比べて労働時間が長く、休日が少ないことを改善できれば、人材獲得できる可能性は高まります。
若年層の価値観に合わせる
建設業には、怒号が飛び交ったり、暴力的な行為が当たり前に行われているなど、昭和のパワハラ紛いの行為がまかり通っているというイメージがあり、人手不足の大きな理由になっています。
ハラスメントが横行している職場で働きたいと思う人は、若年層に限らずいません。
相手を尊重し、人間関係を円滑にするコミュニケーションを心がけることで、若年層以外も働きやすくなります。
若手が育つ仕組みを作る
建設業界は昔ながらの「見て盗む」「とりあえず現場に入れて体で覚えさせる」など、若手が育つ仕組みが作られていない職場も少なくありません。
作業内容をきちんとマニュアル化し、スキルや経験を考慮しつつ徐々に任せる範囲を大きくしていき、できたことはきちんと評価される制度を整える必要があります。
WEBサイトやSNSで情報を発信する
建設業界はDX化が遅れている傾向があります。
今回、「デジタル化に取り組んでいる」と回答した企業が多かった一方で、業務面の多くは紙ベースで行われていることが多く、「デジタル化」への課題を感じている企業が多数いる実態が明らかになりました。このような結果から、建設業のDXはまだまだ進んでいないと言えるでしょう。
引用元:【建設業のマネージャー陣にアンケート調査を実施】DX推進の一方、71.9%が発注書の作成方法は「エクセルかワード」
若い人材を獲得するのであれば、業務のDX化やWEBでの情報発信は不可欠です。
WEBサイトやSNSなどで、建設業で働くことのメリットや、建設業ならではの魅力を発信していく必要があります。
成功企業のサイト事例
建設業界全体が人材獲得に苦戦している中、応募者集めに成功している企業も存在します。
以下では、建設業界の大手企業の採用サイトを紹介します。
株式会社大林組
株式会社大林組は、創業1892年の総合建設会社です。
建築、土木、海外建設、開発、グリーンエネルギー事業など幅広い分野で活動しています。
採用ページでは、動画で見る大林組、施工管理の一日、360度視点で見る職場など、リアルな働き方が伝わる様々なコンテンツが掲載されています。
鹿島建設株式会社
鹿島建設株式会社は、1840年創業の総合建設会社です。
特に超高層ビル事業を得意とし、高度な技術とノウハウを持ち、業界随一の技術研究所を有しています。
採用ページでは、江戸末期から名を揚げてきた同社ならではの歴史や実績を知ることができるコンテンツや、3分で会社の概要がわかるページなどが掲載されています。
まとめ
建設業界全体で人手不足が深刻な問題となっていますが、その理由は給与水準の低さや休日の少なさのほか、価値観が時代に合わせてアップデートされていないことやDX化の遅れなど、改善できる課題も多くあります。
求職者に建設業界で働くメリットを感じさせることが、人手不足の解消に繋がります。
他業界と比較した際にメリットを感じてもらえるように、求職者目線で建設業界の魅力を伝えていくことが重要となるでしょう。
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