人材派遣業を個人で開業できる?違法可能性や設立に必要な要件も考察

個人事業主として人材派遣事業を行うのは違法?

資格の有無など設立に必要な条件を知りたい!

個人で人材派遣事業を行うことはできるのか、気になっている人も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、個人で人材派遣事業を行うにあたり違法性や、設立に必要な要件を解説します。

目次

【結論】個人で人材派遣事業は開業できる!

結論から言うと、個人で人材派遣事業を開業することは可能です。
要件を満たして適切に手続きを行えば、違法性は全くありません。

ただしいくつかの要件あり

しかし前述の通り、人材派遣事業を個人で行うにはいくつかの要件があります。
今回は、クリアすべき条件を分かりやすく紹介します。

個人開業の要件6つ

個人開業のためにクリアすべき条件は次の6つです。

  • 労働派遣事業の許可
  • 資産額の要件
  • 派遣元責任者の資格
  • 事務所は概ね20㎡以上の広さ
  • プライバシーの保護
  • 派遣スタッフへの教育訓練の機会提供

それぞれ詳しく見ていきましょう。

労働者派遣事業の許可

まず、労働者派遣事業の許可を厚生労働省から受けないと派遣事業を行うことができません。
この許可を得るためにいくつかの要件が存在します。

資産額の要件

労働者派遣事業の許可をもらうためには、最低限満たすべき資産額が設定されています。

資産額について最低限満たすべき要件
  • 基準資産額(資産の総額から負債の総額を引いたもの)が事業所ごとに2,000万円以上
  • 基準資産額は負債総額の1/7以上
  • 自分名義の現金・預金額が1,500万円

派遣元責任者の資格

派遣元責任者とは、派遣元事業主に選任された派遣労働者の適切な雇用管理や保護を担う人を指します。

労働者派遣法では、 派遣労働者100人に対して1人以上の派遣元責任者を選ぶこと」が義務付けられています。

事務所は「概ね20㎡以上」の広さ

労働者派遣事業の許可をもらうためには、「概ね20㎡以上」の広さを有する事務所が必要です。

賃貸はオーナーの承諾が必要

賃貸の事務所で事業を行う場合、オーナーに開業する承諾を得る必要があります。
当然のことですが、派遣事業をする前には、事前にオーナーに開業許可を得るようにしましょう。

プライバシーの保護

労働者派遣事業を行うにあたり、従業員のプライバシーをきちんと守れるかが重要になります。
派遣労働者を集めるためには、「優良派遣事業者認定」を受けると信頼を得やすくなるでしょう。

優良派遣事業者認定制度
法令を遵守しているだけでなく、派遣社員のキャリア形成支援やより良い労働環境の確保、派遣先でのトラブル予防など、派遣社員と派遣先の双方に安心できるサービス基準を満たした派遣事業者を「優良派遣事業者」として認定する制度

派遣スタッフへの教育訓練の機会提供

派遣事業開始後は、派遣社員に教育訓練の機会を設けることが義務化されています。
社員を使い捨てするのではなく、キャリアアップできる機会を与える必要があるのです。

開業までの流れ【3ステップ】

個人が労働者派遣事業を開業するためには、ざっくりと以下の3ステップで行う必要があります。

STEP
派遣元責任者の資格を取得する

事業所ごとに派遣元責任者の配置が義務付けられています。

STEP
基準資産額である2,000万円以上を用意する

個人では一番ハードルが高い条件です。

STEP
労働者派遣事業の許可をもらう

厚生労働省から事業開始に許可をもらいます。許可が出たら派遣事業を行うことができます!

ステップ1:派遣元責任者の資格を取得する

事業所ごとに派遣元責任者の配置が義務付けられています。
個人事業主として行う場合は自分がこの資格を取得するか、有資格者を雇う必要があります。

【個人事業主で行う場合】
①自分が派遣元責任者の資格を取る
②有資格者を雇い入れる

ステップ2:基準資産額である2,000万円以上を用意する

前述の通り、労働者派遣事業には資産要件があります
個人で開業するには、これが一番ハードルが高い条件でしょう。

資産額について最低限満たすべき要件
  • 基準資産額(資産の総額から負債の総額を引いたもの)が事業所ごとに2,000万円以上
  • 基準資産額は負債総額の1/7以上
  • 自分名義の現金・預金額が1,500万円

カーローンや住宅ローンを差し引いて、個人で現金・預貯金を1,500万円を保有している人はなかなかいませんね……。

ステップ3:労働者派遣事業の許可をもらう

ここまで準備が完了したら、労働者派遣事業の許可をもらう手続きに入ります。

許可の取り方は次で詳しく解説します!

労働者派遣事業の許可のもらい方

労働者派遣事業の許可は大まかに以下の4STEPで完結します。

  • 必要書類の提出
  • 事業所の現地調査
  • 厚生労働省の許可を得る
  • 許可証の交付

労働局に申請書を提出

労働局に申請書を提出し、書類のチェックを受けます。
申請書に不備がなければ、申請が受理されます。

事業所の現地調査

申請書が受理されると、労働局の担当者が現地調査を行います。この調査では、主に以下の項目がチェックされます。

  • 事業所面積が20平方メートル以上あること
  • 使用目的が事務所であること
  • 個人情報の厳重な管理が可能な構造できること
  • 研修・面談スペースが確保されていること
  • 近隣に風俗営業など事業に好ましくない場所がないこと

厚生労働省による審査

労働局による調査が完了すると、調査結果が厚生労働省に送付され、申請内容が審査されます。

厚生労働省では、厚生労働大臣が労働政策審議会の諮問を行い、答申を行います。
これに通ると厚生労働大臣から労働局を通じて許可証が交付され、労働者派遣事業を始めることができます。

許可証の交付

労働局から許可証が届きます。交付を受けると労働者派遣事業を開始することができます。

申請から許可証の交付まで約2ヶ月から3ヶ月ほどかかると考えておきましょう。

まとめ

個人で労働者派遣事業を行うことは可能です。
しかし、派遣元責任者の資格や事務所要件・資産要件などいくつかクリアすべき条件があります。
一つ一つ確認しながら、条件をクリアしていきましょう!

詳しい情報は厚生労働省の公式HPをご覧ください。
弊社セルバは求人サイトの開発だけでなく、人材事業も行っているため、労働者派遣事業の許可を得ています。
申請にあたり不安な点があれば相談にも乗れますので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

ただシステムを作るだけではなく『売れる仕組み』を創る!
東京・大阪を拠点に20年、システム開発やWEB制作を行っています。
従来のシステム開発だけでなくレベニューシェアでの開発も承っておりますので、サイトやアプリをリリースした後も追加料金や仕様変更でかかるコストは抑えたい、リソース不足で管理や運用ができない、ビジネスのことを相談できるパートナーがいない…という企業様はお気軽にご相談ください!

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