改めて人材派遣とは、派遣会社が自社の労働者を他の企業に一定期間派遣することを指します。
人材派遣会社の収益源は派遣先企業から受け取る報酬ですが、具体的な収益構造を知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は派遣会社のビジネスモデルを解説しつつ、気になる収益構造を紹介します!
人材派遣は派遣先企業からの報酬で利益を得ている
派遣会社は自身で雇っている従業員を派遣社員として派遣先企業に送り、その対価として派遣先会社から報酬を受け取ります。
派遣会社はその報酬の中から、派遣社員の給与や諸経費を賄います。
派遣会社→派遣社員(雇用契約)
派遣会社→派遣先企業(派遣契約)
収益構造・マージン率
派遣先企業から得た報酬のうち、以下が差し引かれるので派遣会社の手元に最終的に残るのは営業利益は全体の1.2%ほどです。
- 報酬の70%は給料に充てる
- 社会保険料+有給費用で15.1%
- 諸経費が13.7%
諸経費の例
人材募集にかかる費用
事務所の賃貸料
労働者の教育費用など
利益を出すポイント
利益を出すために、以下の3つに取り組んでみましょう。
派遣先企業の新規開拓
派遣会社が成功するためには、派遣先企業の新規開拓が不可欠です。
新たなクライアント企業を獲得することにより、ビジネスの拡大と収益の増加が期待できます。
派遣先の新規開拓には以下のポイントに留意する必要があります。
- マーケットリサーチの実施:需要の高い業界や市場動向を把握し、派遣サービスが求められる分野を特定します。
- ネットワーキングの活用:業界関連のイベントや交流会に参加し、新たな取引先とのつながりを築きます。
- 既存クライアントへのサービス拡大:既存のクライアント企業との信頼関係を築きながら、新たなニーズや機会を探ります。
派遣先の新規開拓は、派遣会社の成長と競争力の向上につながります。
新規開拓に積極的に取り組み、市場のニーズに応えることが重要です。
スキルの高い人材を雇う
人材派遣を成功させるためには、優秀な人材の確保が不可欠です。
派遣会社は、クライアント企業のニーズに合った適切な人材を提供することが求められます。
優秀な人材を確保するためには、以下のポイントに留意する必要があります。
- 適切なスキルと経験を持つ人材の採用:人材のスキルセットや経験を評価し、派遣先の要求に適合する人材を採用することが重要です。
- 面接や評価プロセスの強化:適格な人材を見極めるための面接や評価プロセスを強化し、優秀な候補者を選び出すことが必要です。
- 継続的なスキルアップと教育プログラムの提供:人材のスキルアップやキャリア開発のための教育プログラムを提供することで、派遣社員の成長を支援しましょう。
優秀な人材の確保は、クライアント企業の満足度向上や信頼の構築につながります。
コストカット
派遣会社が成功するためには、コストカットも非常に重要です。
コストカットにより、売上は変わらなくても利益率を向上させることができます。
以下は、コストカットのためのいくつかのポイントです。
- コスト効果の高いリソースの活用:必要なリソースを最適なコストで調達することで、経費を削減することができます。
- デジタル化と自動化の導入:業務のデジタル化や自動化により、人的リソースの負担を軽減し、効率を向上させましょう。
- 経費の見直しと交渉:必要な経費を定期的に見直し、必要な場合にはサプライヤーとの交渉を行いましょう。
ただしコストカットは、ただ経費を削減すれば良いわけではないことに注意しましょう。
「そのコストを払ったことによって得られるメリット」を意識して、優先順位をつけていくことをおすすめします。
一見高額に見えても確実に必要なものや、得られるメリットが大きいものにかかる経費については、削るべきではありません。
まとめ
今回は人材派遣のビジネスモデルを紹介しました。
人材派遣の利益率は思ったよりも低いことに驚いた方も多いのではないでしょうか。
派遣会社の競争も激しくなっているため、労働者を必要としている企業と求職者をただ仲介するだけはなく、求職者や派遣先企業にとってよりメリットのあるサービスを提供する必要があります。
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