「有料職業紹介事業を始めるには資本金500万円が必要」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、ただ現金を500万円用意しても、事業許可が降りない可能性があります。
今回の記事では、有料職業紹介事業を始めるための資金要件を解説します。
【結論】500万円が必要!
有料職業紹介事業を始めるには厚生労働省から許可を得る必要があり、その際には2つの資産要件を満たす必要があります。
- 基準資産額500万円
- そのうち現貯金150万円以上
注意!
資本金が500万円以上あっても、基準資産額が500万円を下回っていたら許可がおりません。
つまり、負債を差し引いて500万円以下の場合は要件を満たしません。
基準資産額の計算式
基準資産額=【資産総計】ー【負債】ー【繰延資産】ー【営業権】
3つの要件を満たそう
有料職業紹介事業を始めるにはいくつかの条件がありますが、特に以下の3つを押さえておきましょう。
- 資産要件
- 事業所要件
- 職業紹介責任者
資産要件
資産要件は事業所が一つか複数かによって少し違いがあります。
事業所が一つの場合
基準資産額:500万円
現預金:150万円
事業所が複数の場合
基準資産額:500万円×事業所数
現預金:150万円+60万円×事業所
※更新時には資産が350万円以上必要です。
事業所要件
事業所にはいくつかの要件があります。
- 位置:事業に好ましくない位置でないこと(近隣に風俗営業がないことなど)
- 構造:秘密を保持しうる構造
- 広さ:20㎡以上の広さを有すること。
職業紹介責任者
有料職業紹介事業では、事業所ごとに職業紹介責任者の設置が義務付けられています。
職業紹介責任者とは
職業安定法に基づき「有料の職業紹介事業」を行う事業者に対して、設置が義務付けられている役職のこと。
- 自社の常勤の労働者であること
- 代表が兼ねても大丈夫
- 成年かつ職業経験3年以上
- 事務所ごとに設置
※事務所において職業紹介に係る業務に従事する者の数
50人以下:1人以上を専任
50人超〜100人以下:2人以上
手続きの流れ
有料職業紹介事業を始めるまでの大まかな流れを紹介します。
申請準備
所要時間は2ヶ月から3ヶ月
申請のための必要書類を準備します。各都道府県の労働局と以下について確認をしていきます。
- 事業計画
- 必要書類の草案
- 許可要件を満たしているかの確認
これと並行して、職業紹介責任者の確保や事業所の確保を進めます。
申請
審査は2ヶ月から3ヶ月ほど
各都道府県の労働局で申請書類が受理されると、労働局から厚生労働省へ書類が回付されます。
厚生労働省で労働政策審議会の諮問、審議会で厚生労働大臣への答申を経て、許可の決定がなされます。
許可証の交付
厚生労働大臣の有料職業紹介事業の許可が降りると、事業者に対して許可証が交付されます。
許可証の交付を受けたら、事業を開始することができるようになります。
許可証は各事業所に備え付けることが義務化されています。
まとめ
有料職業紹介事業を始めるための資金要件は以下の二つ!
- 基準資産額が500万円以上
- そのうち現預金が150万円以上
資本金が500万円以上あっても、負債を差し引いて500万円を下回ると許可が出ないので注意しましょう!
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